北上の本の紹介2018年02月5日

北上の本屋で2冊の本を買い求め、一気に読んだ。

1.「風雪の太陽-101人の慈父・慶念坊-」(2011年改訂版) 伊藤仁 著 本の森社刊
 前に北上市立図書館で初版を見たことがあるが、今映画化が進んでいることもあって、改訂版が市内の本屋にまた並ぶようになったのだろう。
 慶念坊は北上市和賀町山口の出身。江戸末期、奥羽地方は度重なる天災や飢饉により疲弊しており、赤子を手放す人々が後を絶たなかった。得度後、慶念は宮城県の涌谷に留まり、多くの子供たちの命を救ったという。今でいう福祉施設を単独で作り上げたようなものだが、貧困の為に間引きをするような時代を、どれだけの人が理解できるのだろうか?(添付のPDF参照)
 ともあれ2020年秋以降に予定されている映画の完成が楽しみである。

2.「鬼踊れ!」(漫画) 篠原ウミハル作 芳文社刊
 内容は、都内の私立高校で新たに「民俗芸能部」が発足、いわゆる鬼剣舞部の創設から始まる。全国高校文化祭をめざすところなど、北上翔南高校鬼剣舞部の活躍がヒントになっていると思われるが、作者は何と関西の出身だった。全く知識のないところから、あそこまでまとめたのはすごいと思う。岩崎鬼剣舞、東京鬼剣舞、翔南高校などに足しげく通って勉強したらしい。
 自分を含めて、北上出身でありながら、鬼剣舞に疎い人も多いであろう。一晩で読める剣舞の入門書としても最適である。今回は第1巻。同社の「週刊漫画」に不定期連載中とのことで、次巻が待たれる。(添付の新聞記事参照)

(文責:小原磯則)

風雪の太陽(映画の企画)

鬼踊れ(新聞記事)

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