北上ふるさと会の会報「在京きたかみ」第20号は近く発行され、会員各位や関係者に郵送の予定ですが、渡邊会長が素敵な巻頭言をまとめてくれましたので、以下の通り、先行してアップします。
北上サイクリング 北上ふるさと会 会長 渡邊嘉二郎
北上市制施行三〇周年の催しは四月二四日開催された。この式典に参加するため、昨年の展勝地開園百周年記念式典以来、五カ月ぶりの帰郷。桜の宴は終わっていたが、残雪の冠の奥羽から流れる和賀川の雪解け水と北上川が落ち合う川面は萌える緑と晴天の青で染まっていた。厳しい冬を耐え、少し寝坊しすぎた葉桜が黒々とした桜の幹を飾る。そんな季節。
式典の翌日、北上再発見の計画をたてた。喜寿を迎え、現役時代の通勤用スポーツサイクルに乗るが、坂道では家内が平気でこぎ登る電動自転車に追いつくのが厳しくなった。コロナ自粛で体力が落ちたのか。それもあり北上駅西口のおでんせプラザで電動スポーツサイクルを借り、北上観光。北上を離れてほぼ六〇年、ふるさとの山河は変わらないが道はだいぶ変わり地理には不案内。スマフォのアプリに行き先を入力し道案内を頼む。駅から黒北、二子、展勝地、九年橋、相去、六原・金ヶ崎そして駅を観光ルートとした。常盤台の坂も軽く登り、黒北の門をくぐり、応援歌練習で先輩からプレッシャーをかけられた校舎前の坂。黒北から上野町を通り「がんじゃ坂」を過ぎて二子の農地。広大だ。北上川からの養分を吸い里芋は美味しいのかなと思いながら、展勝地に向かう。展勝地ではしだれ桜がみごろであった。握り飯を食べた後、珊瑚橋を渡り、良く知っている旧国道四号線にでて九年橋に向かう。和賀川の水は雪解け水、怒涛の如し。相去仲町のバス停の標識で相去と認識。キョロキョロしながら進むと、小学の担任であった三宅先生のお宅を発見した。さらに西に進むと製紙会社の大きな工場が現れ、六原駅への標識、さらに歓迎金ヶ崎の看板と鳥居がみえた。体力はまだ残っていたが、尻が痛い。この辺でときりをつけ北上駅に向けて走った。かなり走ったつもりだが、地図を見ると南北の短い距離であった。しかし味を占めた。次はしっかり準備して東西の遠征をと思う。