第24回四季語りの会が、10月13日(土)世田谷成城ホールで開催され、ふるさと北上民話研究会が参加しました。以下同会の小野寺さんの投稿です。
秋も深まり寒い日でしたが、60名近いお客様がお越しくださり、「南部弁ってどんな語り?」と皆さまの期待が伝わってきました。
語りの前に加藤さんが、「岩手の伝承について」の資料を用意して下さり、旧南部藩の範囲や語り納めの区分図、語り納め言葉の説明があり、皆さんはメモを取りながら頷いて聞いていました。
トップの及川さんはプログラムの他に「猿の一文銭」を語り、どの話も、動物を助けてやると恩を返してくれて幸福をもたらすというほっこりするいいお話でした。方言の中に現代語も入れて自然体で語られ、皆さんにこやかに聞いていました。南館さんは黒いへらと赤いへら、権現様の描かれた手ぬぐいを用意し聞き手を沸かせました。聞き手の皆さんと一緒に歌をうたったりする参加型のお話もあり楽しんでいました。
小野寺は春になると顔を出す「バッケ」の話などを語りました「バッケはふきのとうのこと」というところでは「ほう(そうか)」の声がもれました。
休憩を挟んで青森県野辺地町出身の竹内さんの語りでした。「殿様とそばはっと」は村人が、ネギと禰宜を間違えた話で、はっとにネギを入れて食べるようになった由来話。「さけられない年取り」はわがのむかしばなし「年取だくねぇ男の話」とすっかり同じでした。
同じ南部藩でも土地が違えば言葉も語りも違うなぁと感じました。北上の方が野辺地よりことばが柔らかく聞こえました…。言葉の持つ音色やリズムのすばらしさは、土地言葉がより魅力的だと改めて思いました。えなだりごはやっぱり残していかなくては、そう思った一日でした。 (小野寺るり子)
第24回竹内千惠さんと北上民話研究会2018.10.13プログラム (3)