第3回いわて民話まつりin九戸 報告2018年06月20日

 第3回 いわて民話まつりin九戸は6月16日、岩手北端の地、九戸村の「九戸村 ふるさと創造館」で開かれ、昔語りを伝える5団体の会員がぬくもりのある方言で多くの聴衆を魅了した。豪農の家屋を移築してできた会場は重厚で堂々としていて、ユーモアあふれる、抑揚のきいた語り口に観衆の笑いと歓声が館内に響いた。
 参加団体は5団体(くずまきかだる会、ふるさと北上民話研究会、雫石・語りっこの会、滝沢・昔語りの会、読み聞かせグループやまびこ:九戸)で、語り手数は18名。前回の北上大会より半減した。
 11時から特別出演の伊保内高校の紙芝居発表(平成12年読書推進事業優秀実践校で文部大臣賞受賞)が行われたが、我々は到着が遅くれ残念ながら見ることができなかった。
今回のイベントでは主催の九戸村が全村あげて、これに取り組み、共催として九戸村、九戸村教育委員会、後援として県北教育事務所、九戸商工会、九戸村ふるさと振興公社、九戸村文化協会が名を連ねていた。
 聴衆は約150名とか。「梅雨寒」(最低7℃~13℃)で特に寒いにも拘わらず沢山の方に来てもらい、語る我々も昔話を聞いて貰える楽しさと語る喜びをかみしめた。
ふるさと北上民話研究会の発表は6題で下記(発表順)。
1.南部藩と仙台藩お国境 千田直  2.天から降った小判 井藤佐和子 
3.しょんべんの酒ッコ 南館美達  4.田分和尚と藪医者 阿部光子
5.ばか婿・火伏の札  薗牧枝   6.追加余興全員・「お・し・ま・い」
1つ1つの昔話で大きな笑いと拍手をとり、発表は概ね大好評であった。
我々の最後の演目「お・し・ま・い」は全員が舞台に上がり、会場のみんなと一緒になって楽しみ大きな拍手をもらった。
 今回のイベントの印象は立つのもままならず這って歩くような93歳の語り手が話す時だけはしゃんとして語ってくれた「チャグチャグ馬ッコ」、顔をてかてかさせ、にこやかに語り掛けるように話し、同じ話でもいつも笑いを取れる語り上手な85歳の「ヘッタレよめっこ」には深い感銘を受け民話は“不滅”を感じた・・・。
 また、開催地九戸村は冒頭の祝辞から最後の見送りまで丁寧に対応してくれた九戸村村長と村役人の方たち、お揃い色の作務衣をきて、接客してくれた約20名の九戸のおばさん連、自分たちの紙芝居が終わり、語り手の一番近くに陣取り笑ったり、相槌を打ったり、語り手を大いにのせて(・・・)くれた伊保内高の男女の生徒の皆さん達が成功させようと心温まる応援をしてくれた九戸の人達には本当に感謝申し上げます。
 最後に、前回の「いわて民話まつりin北上」で作った「いわて民話まつり」の幟が九戸の新緑の中で力強く風に吹かれるのを見て継続は力なりを実感した。
(千田直・記)