いよいよ九月の北上民話研究会10周年記念・里帰り口演に向けて具体的な作業に入った。
その他にも、いろいろと北上市と連絡を取りあいながら確認しなければならないことが山積している。会員全員の集団行動のため、切符や宿の手配などと大変だ。これまで培ってきた会員の結束と北上市の協力により、無事その日を迎えたいと願っている。準備担当の及川さん・ゆりいかさんよろしくお頼み申しま~す。
この会員の結束を培うのに欠かせないのが、定例会後の懇親会なのだ。及川さんが語るところの「権現さまの鼻水」によって、会員相互の人となりをよく知り、認め合い、十年間民話研究会が続いてきたのである。
で今回は、その懇親会に欠かせない「酒器」について書こうと思う。
「可杯・(べくさかづき)」という猪口をご存知だろうか。底に小さい穴が開いている、或いは底が尖っていて、下に置くことが出来ない杯のことである。酒を注がれたら飲み干すしかないのだ。「斗酒、なお辞せず」の阿部さんが大いに喜びそうな杯だ。
この「可杯」は「可」という字の使われ方に由来している。「可」の字は先月紹介した漢文に於いて、必ず上に置いて下から返って読み、下に置かれることは決して無い。例えば
敖不可長 ・・傲(おご)りは長ず可からず
欲不可従・・欲は従(ほしいまま)にす可からず
志不可満・・志は満たす可からず
楽不可極・・楽しみは極む可からず
礼記、 曲礼 上 第一より
というようにである。 このような杯での宴はさぞかし楽しいことであろう。 大望の10周年記念・里帰り口演を無事に終えたなら一同ホッと安堵すると共に心行くまで旨酒に酔いしれたいものである。終わって、旨酒を味わう元気もなくなるほどに疲れ果てないように、アンバイしいしい頑張るべぇじゃぁ!
どんどはれ