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最初に、小原事務局長から、配布資料に基づき講演者の紹介があった。(プロフィール 参照)あわせて、つい最近『日高見望景-遥かなるエミシの里の記憶』(図書新聞刊)を上梓されこと、本日のご講演の中身がぎっしり詰まっているので、是非お買い求め頂きたいとの紹介があった。
北上市との馴れ初めは、ふるさと会で鬼剣舞の強烈な印象を受けたこと。その後、みちのく芸能まつりに参加したりしながら、数年前からは何度も現地を訪れて調査するようになった。昨年3月も調査を計画中に東北大震災の発生。被災地を訪問して、東北に対する思いを新たにすることとなった。
古代エミシと中央政権との戦いから始まる地方と中央の抗争の歴史は、何が正義かを問うものともいえる。今の北上市を含む日高見は、もともと平和で豊かな地であった。自ら戦いを挑むことも無かったのに中央の論理でしばしば蹂躙されてきた。その過程で生まれてきた鬼剣舞は祖先への鎮魂であり、哀情なのかもしれない。
未曾有の震災にあいながら、愚痴をこぼさず、淡々と事実を受けとめている被災地の人たちの姿に、古代エミシからの歴史を思う。
ご講演全体を通じて、私たちの生まれ育ったふるさとの歴史に思いを新たにすることができた。在京産業人会の会員の大部分の祖先は古代エミシであろう。しばしば繰り返されてきた「エミシ」と中央王権の戦いの歴史は、地方からの視点でみれば、まるで違ったものになってくる。その歴史を背景に生まれ、我がふるさとで引き継がれてきた鬼剣舞は、大事に守っていかなければならないと再認識したしだいである。
(小原事務局長・記)
堀江朋子さんの講演の様子 |