北上市のしらゆり大使でもある女流作家の堀江朋子さんが、新刊「奥州藤原氏清衡の母」(発行元:㈱図書新聞)を出され、北上ふるさと会事務局にも寄贈していただきました。
宮城県北部から、秋田そして我らがふるさと岩手県南を舞台にした「前九年の役」「後三年の役」は、歴史書や博物館の説明書きではわかりにくい。でも、こうやって女性の視点、特に今回の清衡の母亜加の生涯を通じてみれば、すんなりと理解できる。
私達の子供の頃は、日本武尊、坂上田村麻呂、そして今回の八幡太郎義家などは、東北の蝦夷を平定したヒーローとして胸躍らされたものだった。安倍貞任などは“衣の盾はほころびにけり”と、新しい時代に抵抗する古い歴史の象徴のように思ったものである。しかし、これらはみな征服者の視点で書かれたものを東北生まれの子供たちも読まされていただけともいえる。
著書の中では、引き続く戦いを逃れて女子供たちの逃避行が続く。なぜ男たちは戦いをするのかと言いながら。まさに女性作家ならではの感覚だなと思った。黒沢尻の柵(黒沢尻五郎=安倍正任の館は北上の新幹線の駅の近く)など馴染みのある地名が次々と出てくるのは嬉しい。
関心のある方は事務局にご連絡ください。(小原磯則・記)